宝石珊瑚の歴史5 高級原木の供給地日本
2017/10/02
カテゴリー:
Coral・珊瑚(sango)
高級原木の供給地である日本は、世界の
「宝石珊瑚」の流通拠点
宝石珊瑚の長い歴史の中で、その中心的な
役割を果たしてきたのは、地中海サンゴの
原木供給地であった地中海沿岸の各国で
特に、18世紀以降は、当時、隆盛を極めていた
スペインのブルボン王家の産業政策による支援を
受けたイタリアのナポリ近郊の町
トレ・デル・グレコの人々でした。
19世紀になると、高知県の土佐湾で極めて
美しい宝石珊瑚が発見され、宝石珊瑚の産地に
新しく日本が加わったのです。
明治時代になってからは、イタリアのトレ・デル・グレコ
から、高知県にバイヤーが直接買い付けに来るようになり
その後日本各地でも宝石珊瑚が続々発見されて
からも、我が国の珊瑚漁業の発祥の地である
高知県が、我が国における宝石珊瑚産業の
中心地となっていきました。
ヨーロッパの珊瑚商人たちは、
日本産の血赤珊瑚を「トサ」と呼ぶことが
ありますし、日本国内でも高知県で生産される
宝石珊瑚は「土佐珊瑚」とよばれて特に
高い評価が与えられます。
宝石珊瑚の高級原木供給地であり、
世界的な流通の中心であるわが国では
宝石珊瑚ジュエリーが3月の誕生石と
なっているばかりでなく、宝石珊瑚の数珠が
嫁ぐ娘の身の安全と幸福を授けるお守りの意味で
花嫁道具の一つにされていますし、宝石珊瑚を
使った美術工芸品が結婚35周年の記念品と
しても使われています。
・・・・・・・宝石サンゴの魅力より
2017-10-02