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宝石珊瑚の歴史6 我が国の最古の珊瑚装飾品

わが国に現存する最古の珊瑚装飾品は

三代将軍家光ゆかりの「初音の調度」

 

わが国に「宝石珊瑚」が登場したのは、

仏教の渡来と同じころであるといわれていますが、

制作者や伝来が明確で、現存するものは

江戸時代の寛永16年(1639年)に、三代将軍家光の

長女、千代姫が尾張徳川家へ嫁した時、婚礼調度の

中の厨子棚です。

珊瑚徳川美術

これは、源氏物語に由来したデザインによる

「初音の調度」と呼ばれる国宝指定のもので

全体に岩や樹木の蒔絵が施されており

梅の花びらの部分に彫刻した宝石珊瑚が

貼り付けられています。

この彫刻は、わが国で宝石珊瑚が発見される

以前のものですから、必然的に、ヨーロッパから

輸入された地中海サンゴで作られたということに

なります。

 

長崎の出島交易でかなりの量の宝石珊瑚が輸入される

ようになり、印籠や煙草入れの根付、櫛かんざしの

装飾などにも珊瑚細工がみられるようになりました。

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もちろん、当時、宝石珊瑚は貴重な品物ですから、一部の

富豪や特権階級の人々に使用されるに

とどまっていましたが、元禄(17世紀末)頃になると、

一般庶民の間にも珊瑚の緒締(おじめ)、根付が

流行するようになりました。

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この頃でも、宝石珊瑚は相当な高級品でしたので

市中に出回っていたものは獣の骨などを染めた偽物が

多かったようです。

 

江戸時代が終わるころになって、ようやく、わが国でも

宝石珊瑚が発見されたのです。

 

2017-10-03

 

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